毎年書いていると思うが、今日は誕生日だ。ただし戸籍上の。二十六日になって数分後に生まれたところ、医師が気を利かせたのかなんなのか、二十五日にしておきましょうと母に提案、母はそれを了承したらしい。おかげで占いを視てもらうときはいつも困ってしまう。このおかしな誕生日のおかげで、占いとは違うが、最近新たな困りごと、というか興味深いことが起きていたのを知った。マヤ暦という暦がある。一年を十二ヶ月ではなく、十三ヶ月で表すものだ。また、各月各日に、今日はこうして生きるべき日だ、と啓示をからめ、人々をときには強く戒め、ときには強く希望に満ちた未来へと導こうとする。この暦、七月二十六日が元旦となっている。つまりぼくは実際に生まれた日で考えるとマヤ暦の元旦が誕生日ということになる。これだけならたいした話ではない。問題は、その前日、七月二十五日日は、マヤ暦では「時間のない日」と定められているそうなのだ。時の流れに縛られずに、リラックスして過ごす日らしい。つまり、ぼくは元旦に生まれたにもかかわらず、その前日の時間のない日を戸籍上の誕生日にされてしまったのだ。
今日、ぼくは三十六回目の時間のない日を迎えた。
五時三十分起床。花子、化膿止めを混ぜたゴハンは食べようとしない。このままでは体力が心配だが、ぼくが家を出た後、薬ナシのゴハンをもりもりと食べたそうだ。猫缶ではなく、焼きガツオだという。わがまま女だとつくづく思う。ニンゲンでも、こういう女はいるんだよなあ…。
七時、事務所へ。ラジコンメーカーWeb サイト、証券会社パンフレット。
午後より外出。八丁堀のJ社で証券会社パンフの打ち合わせ。十五時、いったん帰社してから法務局へ。会社の登記簿を取る。
十七時、清掃会社の方と打ち合わせ。これは本業の方ではなく、ウチのマンションの管理組合の仕事。
ごちゃごちゃやっているうちに二十時になってしまった。強い雨音が聞こえる。慌てて帰宅。
台風が近づいている。天気図を見ると関東直撃しそうであるが、それでも明日は取材である。静岡の某社の工場へ行く。新幹線よ、頼むからちゃんと動いてくれ。
金井美恵子『タマや』。うまいなあ。超技巧的なのにまったく無理のない、ナチュラルな文体。タマが仔猫を四匹生んだ。主人公には、彼らを養えるだけの収入がない。さてどうなるか。
高橋源一郎『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』。賢治である必要性すら、わからなくなってきた。既存の賢治観の破壊を狙っているのか。そんなの、若手にまかせておきゃいいじゃん。