五時四十五分、起床。六時まで、目覚ましを蒲団の上で虎視眈々と見つめつづけた。セットした六時になる瞬間を見届けてやろうという魂胆だ。鳴る前に起き上がれれば勝ち、鳴らしてしまったら負け。別にルールを決めていたわけではないが、結局うとうとと微睡みの誘惑に引き込まれてしまい、アラームの音に尻を叩かれるようにして起き上がる始末だったから、まあ、負けだ。幸先の悪い朝。
これで一日の厄払いができたと前向きにとらえ、七時、意気盛んに家を出るがすでに上がりはじめた気温にまた負けた。汗を拭きながら事務所へ向かう。
すでに二敗。連敗を喫している。三連敗は間逃れたい、などと思いつつ、おれはいったい何と勝負をしているのだろうか、と根本的なところがわからなくなる。が、まあいい。遊びだ、これは。
某大学入学案内に没頭する。急な仕事が飛び込みかけたが、今週は手いっぱいで金曜まで打ち合わせも入れられない旨を伝えた。一度打ち合わせをすると、移動時間を含めると三時間は費やしてしまう。スケジュールに余裕があるときはどうということはないが、締め切りに追われつづけている身に、いきなり三時間は厳しい。これでは仕事に負けてしまう。
二十時、きりがいいところで業務終了。もっと遅くまでやってもいいが、早朝から頭脳労働していると、このくらいの時間に一度限界が来る。無理してつづけても、いい仕事ができていない場合のほうが多くなるから厄介だ。
麦次郎、夜は大暴れ。ラグマットがグチャグチャのシワクチャになっていた。花子はいつもとまったく変わらず。今は机の上に寝そべって、しっぽを振りながらずっと廊下を見つめている。
高橋源一郎『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』。読むの、やーめた。