わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

左官

寝るときは書斎に戻ってもらった。

 夜のエアコンを短時間で切るようにしたら、花子の夜鳴きが減った。自分自身の眠りも若干深くなったようだ。九時起床。
 
 一日かけて、十九日からカミサンのアトリエとなる部屋の壁に珪藻土を塗ったくった。隣り合う壁や天井を養生してから、購入しておいた珪藻土を二箱、タライにブチ撒き水を入れ、カミサンとふたりでムキになってこねまっくった。三十分ほど放置し、さらに水を加えて固さを調整してから、コテで塗る。たらなくなって、途中でさらに一箱分練り足した。
 結論。餅は餅屋。コピーはコピーライター。小説は小説家。猫絵は猫作家。だから左官は左官屋だ。とはいえ、自分で塗った壁である。仕上がりが多少汚くても、満足感はある。乾けば仕上がりの雰囲気はさらに変わるだろう。そのとき、満足感はどう変わるか。
 
 夕方、夜と数時間ずつ花麦をしばらくおなじ部屋でうろうろさせた。リードはつなげているが、まあいざというときのためのもの。エアバッグみたいなもんだ。ふたりともリラックスして、花子はずっと窓辺で珍しく涼やかに吹き込む東からの風にあたりながら、ひさしぶりにリビングの外に広がる外の世界を眺めつづけていたようだ。麦次郎は緊張気味に部屋をうろうろと。
 
 奥泉光「石の来歴」。主人公の、太平洋戦争のレイテの記憶と石の蒐集趣味が交差する。その奇妙な接点が、どう広がるか。