わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

虫涸

 六時三十分起床。昨日とは別のルートで近所を歩いてみた。すると今朝はずいぶんと蝉が喧しい。しかし心なしか力強さがないのは、晩夏、もはや命尽きるときが近づいているからか、まだ目が覚めきっていないだけなのか。低血圧の蝉とは笑えるが、蝉にも、もとい昆虫にも血圧に相当する数値があるのかどうか。昆虫の死骸はみな干からびて妙に軽くふわふわと浮くような感触がするが、子どもの頃に不用意に殺してしまったクワガタだのカブトムシだのは、ドロリと体液が溢れてきたような気もするが、どうも記憶が曖昧だ。しかしだからといって試す気にはならない。試すには実際に虫がいる。興味本位で購入までして殺生するのは大人げない。無論、自然の中で虫を捕まえてきたとしても試さない。
 
 終日、某PCメーカーのWebサイトに没頭。
 
 夕方、借りていた事務所に置き去りにしたゴミを回収に出すために外出。十五分ばかり散歩のつもりで呑気に歩いたが、いきなりポツリ、と頬が濡れた。慌てて道路から高架下の通路に移り、耳を澄ませながら歩きはじめたら、五秒と経たぬうちにドザアと轟音が立ちはじめた。この高架下には大きな駐輪場がある。止めていたひとたちは、みな高架下でぼんやりと雨宿りをしていた。そういえば、ここ数年雨宿りというものをしたことがないことに気づいた。だがおかしな郷愁は感じない。自分がついているということか、傘の用意がいいということか。たしかに人一倍空模様を気にする質ではある。
 
 夕食。カミサンが、自宅を職場にしたほうが、断然家事も仕事もしやすくなったと喜んでいる。それはぼくもおなじだ。ただし、ぼくの場合は家事がわずかながら増えた。

 阿部和重グランド・フィナーレ」。この作家が書く主人公は、みな同じ人物に思える。