わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

地冷

 近ごろは目覚まし時計より早起きだ。鳴る直前に目を覚まし、薄暗がりの中で、ひどい近眼をこらしながら液晶のデジタル表示を苦心して読み取る。一分か二分、設定した時間よりわずかに早い。眠っていても腹がすく、とはよく言うが、眠っていても腹時計とは正確に動くものなのか、などとくだらぬことを考えたが、腹時計で目が覚めるわけではないらしいことに、蒲団を抜け出した途端に気づいた。寒いのだ。冬の冷たさ、肌と毛穴を隅々まで強ばらせる寒さではない。うっすらとした寒さ、皮膚のまわりの熱のこもった空気がいつの間にか消えてなくなった感覚。晩夏の朝は、一晩かけて大地が空気にこもった熱を冷ましてくれる。キンと空気が冷え、また陽が昇り、暑くなりはじめる直前、その瞬間にぼくは目覚めているのかもしれない。窓を閉めて寝た方がいいだろうか。つづけていたら寝冷えする。

 六時起床。朝イチで納品する案件のコピーを大慌てで仕上げ、九時直前にメールで送付。その後、午前中は事務処理。
 午後から水道橋のE社へ。ウェブサイト、パンフレットなどの打ち合わせ。帰社後はO社コピー。早々に終わらせてしまったので、夕方はかなり時間が空いた。久々にアニメ「ブラックジャック」を観る。アラマンチュー。
 
 花子、夜に大騒ぎ。たんに甘えたかっただけらしい。しばらく抱っこしていたら落ち着いた。今はどこか、目に付かない場所に引きこもって寝ているようだ。
 
 野坂『東京小説』。戦時中の苦い体験を、大岡昇平は句読点を多用して短いセンテンスで語った。野坂はその対極。

 阿部和重グランド・フィナーレ」読了。『シンセミア』で阿部がぶち壊した神町を、阿部はもういちど連作短編で再生しようとしている。中上+ブコウスキー+大江、という感じの作品でした。これ読んで救われるロリコンは多いかもしれない。
 ひきつづき、同時収録の短編を読む。タイトル失念。