わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

自由と即縛

 一日予定がポカリと空いてしまったので今日は基本的にはお休みということにし、いつもより三十分ほど余計に寝たが、結局花子に何度も起こされてしまい、いつも起きる時間から三十分の間はばっちり目が覚め、アタマもさえ渡っていたのだからわれながら無駄な時間の過ごし方だと呆れてしまう。外は霧吹きで一斉噴霧したような霧雨で、すこし外に出ただけでも全身がしっとりと濡れる。これでは朝の散歩もできない。結局いつもとおなじように身支度し、念のため仕事のメールチェックをし、何本かは返答を書いて、とあれこれしていたら平日とやっていることが変わらなくなった。
 午後は雨も上がった。銀座に外出。以前手掛けた某カラオケチェーンのキャンペーン、開始後一度も視察していない。いい機会なので見ておこうと思った。とはいえ平日にカラオケなどいっしょにいってくれる知り合いはいない。しかたがないので一人で入室したら「ハローキティ」の部屋に通されてしまい、赤面しつつもキャンペーンのツール展開を確認してみたり、効果をそれとなく店員に訊ねてみたり、だがやることなんてそういくつもあるわけではなく、二十分もすれば視察は終わり、しかしそれでは室料がもったいないので、何曲か歌った。しかし、ひとりだからか、なんとなく恥ずかしい。
 結局カラオケ店は一時間で退出。時間が余ったので、なんとなくチャンスを失っていた「エピソード3 シスの復讐」を観ることに。物語自体は、アンハッピーエンド(ただし希望付き)とはいえ予定調和的なのでそんなにおもしろくない。映像はさすがだが、CGが細かすぎて少々目が疲れた。ダース・ベイダーのコスチュームが若干ではあるが現代的にリメイクされているのは反則だと思った。
 夜はドラマ「電車男」の特番を観る。不特定多数が利用する掲示板というメディアの特性を活かしたサイドストーリー。スターウォーズより物語の完成度は高いんじゃないか、なんて比べるぼくはバカだろうか。
 
 大江『さようなら、私の本よ!』。最近の作品は会話が物語の進行のベースになる。それゆえ、ちょっとまどろっこしいところがあるのだが、作品に幅を与えてもいるようだ。
 斎藤孝『呼吸入門』も併読している。大正時代の教育者である木下竹次という人物の『学習言論』という作品の引用がおもしろかったので、引用。引用の引用。
   ★
 人は自由を欲するとともに束縛を欲する……思うに自由と束縛とは相対的なもので絶対に束縛もなければ自由もないはずである。鳥も空気の抵抗がなくては飛ばれない。釘も木片の反対がなくてはきかない。……束縛は自由を激成し束縛打破は自由行動者の愉快とするところである。自由行動がその束縛そのものに感謝することのすくないのは遺憾である。これを要するに縛解一如でなくてはならぬ。帯は身体を束縛する。しかし帯がなくては腹力がなくて活動自在にならぬことがある。縛即解・解即縛・学習もこの境涯に達しなくてはならぬ。