わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

次の風

 六時三十分起床。東に面したリビングの窓から見える青空がうれしい。小さな、子どものいたずら書きのようなかたちをした雲がよっつ、我が家の物干し竿と向かいの家の屋根の間に、横に並んで浮かんでいる。静かに、南のほうへ流れていった。風はあるようだ。
 十時まで仕事。一時間ほど家を抜け、切れかけている使い捨てコンタクトを買いに行く。立冬らしいが、気温は夏日。しかし、高く広がる淡い青空と、陽の光をセピアに透かす黄葉のせいか、暑さはまるで感じない。風は強いが、やはり夏や初秋のじわりと押し寄せる熱風ではない。大きく、素早く吹き抜けるのは晩秋から冬にかけての風の特徴なのだろうか。枯れかけた黄色と、くすんだ濃い緑をまだらにぶら下げた桜の木の茂みが、ザワリと大きく揺れ響く。アスファルトに散った枯葉が、風に煽られ、散り、転がる。つま先で蹴ろうとしたが、足より先に次の風が吹いた。
 十七時、小石川のL社で打ち合わせ。二十一時までつづく。ちょっとしんどい。
 精神的に疲れたのか、気づいたらスコッチのダブルを三杯も飲んでいた。
 
 色川武大狂人日記』を読みはじめる。冷静なる狂気。そう言えば、このタイトルの作品はほかの作家も書いているなあ。魯迅ゴーゴリ


狂人日記 (講談社文芸文庫)

狂人日記 (講談社文芸文庫)