わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

フリテン君

 夕べは花子があまり騒がなかったので、いつもよりは熟睡できた。だが眠い。日中は、ふと気が緩むと睡魔にとりつかれがちだ。昼間、東の空にポカリと浮かんでいた半月の、霞んだ冬の空の色にともすると馴染んで消えてしまいそうな輝き方に似た感覚だ。霞んだ意識が、霞んだ無意識に馴染んで消えてしまいそうになる。
 
 七時起床。午前中は案件あれこれ。午後から外出。霞が関の某ITベンダーでプレゼンを済ませたあと、「スターバックス」で珈琲をすすりながら某菓子メーカーの会社案内の内容を考え、陽が沈んで空が墨色になった頃に見せを出て、歩道に積もったイチョウの葉を踏みつつ霞が関ビルから地下鉄の駅へ向かい、クリスマス一色になった銀座の街へ移動、代理店U社で新規案件の打ち合わせをする。
 二十時、帰社/帰宅。二十一時過ぎまで仕事する。好物のクリームシチューで夕食を済ませたあとは、なんだか脳がフリテンしているようなので、一度持ち手をくずすために、あえてダラダラ過ごしてみる。

 遠藤周作『海と毒薬』。オバハン、手術前に自然死。勝呂は救いたかった対象を失い、途方に暮れる。そこに舞い込んできたのが、捕虜の米兵の生体解剖実験の話だ。勝呂はそれを承諾してしまう。彼には、命ということが、そして生きるということがわからなくなっている。