わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

笑顔の鍼灸院

 寝違えの痛みで夜中に何度も起きた。寝返りするたびに痛む。どんな体勢で体を起こせばいいのか、二、三秒はつい考えてしまう。そして、どうやっても結局痛む。我慢するしかないか。自然治癒を待つ? 馬鹿な。治せ。自然治癒力を引き出せ。自然治癒欲。そんな言葉があるのか知らんが、今のぼくにはたしかにある。そんなことを、首をかばいつつ考え、鍼灸院に行こうと決心した。
 朝イチは仕事。仕事納めの日であるが、納品する案件がないだけ気は楽だ。十一時、いつもの「らくだ鍼灸院」ではなく、「貴子鍼灸治療室」に行ってみる。 http://www.takako-hari.com/ 先生は四十代後半か五十代の女性。ほがらかで笑顔が気持ちよい方だ。つい痛みを忘れる。大きめな声で返事してしまう。治療はじつに丁寧だ。今まで行ったことのある鍼灸院は大抵鍼を刺したらすぐに抜くのだが、ここの場合はしばらく刺したままにする。そのほうが確実に効く、と丁寧に説明してくれた。やく一時間の施術で、痛みは残っているものの、首は確実に動くようになった。夕べよりもよい。持病の坐骨神経痛についても相談したら、絶対に治せると自信に満ちた笑顔で答えてくれた。しばらく通ってみようと思う。
 午後も仕事。夕方、外出。使い捨てコンタクトレンズの買い足し、吉祥寺「リブロブックス」で注文していた仕事関係の書籍の引き上げ、夕飯用のお総菜など。メンチカツで有名な「松阪牛専門店 サトウ」 http://www.jalan.net/kanko/SPT_170486.html でメンチを、と思ったが売り切れ。代わりに、うずたかく積まれたホカホカの揚物が目に入った。トンカツである。牛肉屋でトンカツかよ、と思いつつも、うまそうだったのでカミサンの分と二枚ください、と言ったら、サービスでぃ! と三枚くれた。西荻の「アンセン」でパンを買ってから帰る。
 トンカツ、びっくりするほどおいしい。下手なトンカツやのものよりも肉のうまみがしっかりしている。揚げてから一時間以上経っているというのに、肉はジューシーなままなのにも驚きだ。
 夜、すこしだけ仕事して年内の営業は終了。お得意先の皆様、一年間ありがとうございました。来年もがんばります。
 
 田中小実昌「寝台の穴」「大尾のこと」読了。このあたりから、物語化を拒否する姿勢が強く出てくる。というか、それを自覚して、何度も展開を脱線させては、こう書くのは物語だ、物語は信用しない、などと繰り返す。ぼくは、物語とは記憶と感情を体系化するための一種の技術で、それは省略によって成り立つと考えているのだけれど、コミさんは、例えば戦争での体験、これを「省略」によって誇張し、美化することに耐えられなかったのだろう。経験に忠実に書くことが、戦争なり、その他のあらゆる事象をただしく認識するための唯一の方法なのだ、そこに悲劇も喜劇も、感動も涙もいらない??そういうことなのだろう。