わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

雪のあと

 七時三十分起床。雪は止んだようだ。朝日の反射で目が眩む。ぽた、ぽた、ぽたと雪解けの音が路地全体からざわめくように聞こえてくる。ときおり、ザザと大きな音がする。電線から、庇から雪が滑り落ちる。暖かな空気が雪を溶かしている。だが空気は冷たい。雪解け水の冷たさが陽気をたたえた空気の流れを冷やそうとしてるのか。
 今日もお仕事。夕方、集中力が途切れたので生協へ買い物に出かける。キャベツ、ブロッコリー。陽は暮れた。路面の溶けかけた雪は再び冷やされ、氷のようになる。足元に気を配りながらよちよちとおぼつかなく坂を下ると、丸く刈られたキンモクセイが、まだ雪をかぶっているのを見つけた。坊主頭が白いベレー帽をかぶっているように見える。田中小実昌を思い出した。
 夕食はサラダとビーフカレー。東京MX-TVで「西遊記」の再放送を観る。いつのまにか頭の中でかなり映像を美化していたようだ。夏目雅子の美しさ以外は、かなり想像力で肉付けされていた。堺正章は如意棒を達人のごとく振り回しているような記憶があったが、実際は香取慎吾よりも上手だがカンフースターほどではないという感じ。?斗雲の動きは玄妙かつダイナミックに思えたが、カチカチになったできそこないのわたがしが水糸に吊られてプラプラしているようにしか見えない。記憶とは恐ろしいものである。