「花の風車」。主人公の、琉球舞踊を見物する現在の姿と、私生児(?)として生まれ、母や叔母のあまりにも悲観的な人生観にどっぷりつかりながら生きていた十代の姿が交錯しながらストーリーは進む。老人ホームに入って余生を過ごしたいという叔母は、主人公とその母を連れて下見にでかける。私生児という生命のはじまりの悲劇(あくまで作品中で、ということだけれど)と、老人ホームという生命の終わりの悲劇(これもあくまで作品中でそう扱われている、ということね)。その間に挟まって、悲嘆しながら生きる叔母、母、そして主人公。