2006-05-28 古井由吉『聖耳』 読書日記 「犬の道」。高層ビルになっている病院の、高い階の病室で過ごす初老の男が、想像のなかで愛犬に外をうろつかせる。幻想のなかの犬はいつしか男の記憶の世界にとびこんでゆく。現実、幻想、記憶と異なる世界を自然に、あたりまえのように行き来できる文体。古井さんスゲエや。いや、読むのはかなり難解で大変なんだけどさ。