わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『聖耳』

「犬の道」。高層ビルになっている病院の、高い階の病室で過ごす初老の男が、想像のなかで愛犬に外をうろつかせる。幻想のなかの犬はいつしか男の記憶の世界にとびこんでゆく。現実、幻想、記憶と異なる世界を自然に、あたりまえのように行き来できる文体。古井さんスゲエや。いや、読むのはかなり難解で大変なんだけどさ。