自分が二年間も入院していることを忘れてしまう息子。ところが老作家である主人公は、戦中の、息子を身ごもらせたときのことも、鮮明とは言いがたいが、覚えている。記憶を軸にすると、たちまち時間という概念が混乱してくる。時間を軸にすると、登場人物がいかに混乱した状況にあるかが浮かび上がってくる。
自分が二年間も入院していることを忘れてしまう息子。ところが老作家である主人公は、戦中の、息子を身ごもらせたときのことも、鮮明とは言いがたいが、覚えている。記憶を軸にすると、たちまち時間という概念が混乱してくる。時間を軸にすると、登場人物がいかに混乱した状況にあるかが浮かび上がってくる。