過去の思い出をすっかり忘れている妻。ふたりは新宿の脳外科病院で診察を受ける。
そうか。アル中の障害者の息子・良一は、将来の介護の不安という未来を、そして妻の健忘症は共有していたはずの過去が消えることの不安、というわけかな。ふたつの不安にはさまれながら生きる老作家。その日常は、巻頭では滑稽に思えたが、どんどん悲しみを増してゆく。だが老作家自身はまったく悲しんでいない。その態度がタイトルの「うるわしき日々」につながるのかなあ。
過去の思い出をすっかり忘れている妻。ふたりは新宿の脳外科病院で診察を受ける。
そうか。アル中の障害者の息子・良一は、将来の介護の不安という未来を、そして妻の健忘症は共有していたはずの過去が消えることの不安、というわけかな。ふたつの不安にはさまれながら生きる老作家。その日常は、巻頭では滑稽に思えたが、どんどん悲しみを増してゆく。だが老作家自身はまったく悲しんでいない。その態度がタイトルの「うるわしき日々」につながるのかなあ。