2006-11-19 古井由吉『山躁賦』 読書日記 「千人のあいだ」読了。主人公は、もともとは川の流れる谷だった町にある寺に一泊し、そこで夢を見る。夢に登場するのはいかめ房。うーん、ただひたすら描写描写描写。時系列は混濁している。書きたいことから書き、おもしろいことはあとに残しておく。そして、そっと終わらせる。そんな流れ。これは物語などではない。そこにあるのは記憶なのか進行形の行動なのか、それらが渾然一体となって…と書こうとしたら、頭がこんがらがってきた。 「海を渡り」。寺巡りの旅、船で四国へ渡る主人公。