六時五十分起床。さっさと身支度して仕事をせねば、とは思うものの、身体が起きることを拒否しているのは、今日が勤労感謝の日で、休みだというのに、しかも勤労する者は感謝されてしかるべきな日なのに、働かなければいけないからか。誰かから感謝されたい、という気持ちは、少なくとも表層上はない。ただ、仕事の充足感だけがほしい。それは、モノを書き、モノをつくることからだけ得られる。いや、書き終えたときの充足感よりも、書いている最中の恍惚な気分のほうが魅力としては数段上か。充足感と恍惚な気分。そしてそれをつづけるために必要な燃料としての、お金。そのために、今日も働く。あ、猫のゴハン代のためでもあるか。
曇天。肌寒い朝。リビングの窓と玄関がわずかに結露している。身体を芯まで冷やすあの空気の、どこに水分が隠れているのかが不思議だ。花子は最低温度に設定したオイルヒーターの側面にピタリと身体を付けて寝直している。
仕事。某生命保険会社の新聞広告。特急進行の仕事なので、アイデアを寝かせる時間がない。今得られる情報だけを山盛り脳みそに詰め込み、熟成するのを待たず、浅漬けの状態で無理矢理広告の形にひねり出す。小便などしたくないのに、検尿ですから、と言われているような気分。だが、決して不快ではない。資料の読み込み中はBGMがあったほうがいいのだが、さあ書くぞ、という段階では異様に神経質になっているので、音はジャマになる。ところが筆が載ってくると、逆に音がほしくなる。今日は音に一番馴染みのあるDavid Sylvianのインストばかりを聴いた。
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十八時四十分、新高円寺へ。「ブックオフ」で中古の(いや、新古品っぽいのだが)CDを購入し、個展会場の「猫の額」さんへ。個展終了を見届けてから、撤収作業を手伝う。オーナーの木村さんともゆっくりお話ができてよかった。どうもお世話になりました。
荻窪の焼肉店「四季の家」で肉少々とナムル、キムチでちゃっちゃと夕食を済ませて帰宅。読書はできなかったなあ。