わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

上野広小路亭「帰ってきたユウジャくん」

 柳家三太楼改め三遊亭遊雀の半独演会。前述のハナ歯科、並川抜志さんと、長野のジャグラー/マジシャンである橋本アキットが加わっての落語会。遊雀柳家権太楼師匠の弟子であったがどうやら師匠と何かあったらしく、破門になってしまった。そこに三遊亭小遊三師匠が救いの手を差し伸べ、明治時代(?)の落語家である遊雀の名を襲名した、ということらしい。それで「帰ってきたユウジャくん」。根強いファンが多い落語家のようだ。

  • 看板のピン 遊雀:ピンとはサイコロの1の目のこと。博奕をやめて久しい、おそらくは元名人の老人に憧れ、真似をする馬鹿な三下の若者。真似とは基本的な笑いのひとつだと思うけれど、本物と比べると微妙な「差」があるからおかしくなる。その「差」をいかに誇張するかが、この題目での落語家の腕の見せ所。いやあ、その馬鹿っぷりはすばらしかったです。
  • 初天神 抜志:江戸っ子である抜志さんにしては珍しい上方落語。イントネーションはかなりアヤしかったけれど、ちゃーんと大阪弁になってました。題目自体もおもしろかったけれど、緊張しながら(そりゃ本業は歯科医だもの、寄席の高座となればキンチョーするわな)語った立川流の新年会の枕、おもしろかったなあ。
  • 仲入り
  • マジック 橋本アキット:前回、杉並公会堂で見たときはジャグリング中心だったが、今回はトランプマジックとスプーン曲げが中心。どちらもスゴかった…。ガッチガチに硬いスプーン、彼がちょいちょいと触るだけでくにゃんくにゃんに曲がってしまうのだから不思議だ。
  • 天狗裁き 遊雀:観た夢の話を語らぬがために、とんでもない目にあった男。リフレインのおもしろさ。これまた、語りの技術がなければおもしろいなんて思えないんだろうなあ。カカア、大家、お奉行、天狗…と演じ分けるのも大変そう。