わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

スタニスワフ・レム/久山宏一訳『大失敗』

 パルヴィスが、コンセプトとしてはモビルスーツの原形ような、でも操縦方法は「勇者ライディーン」にとても似ている、しかし外見はユンボやクレーンとかわらないような、というより「戦闘メカ ザブングル」あたりにでてきた武骨なロボット(なんて言ったっけ?ウォーカーマシン、だね。主人公が乗っていたのが「ウォーカー・ギャリア」。よく知らんが。今、Wikipediaで調べた)のようなイメージの乗り物「ディグレイター」に搭乗する。
 ふつう、小説ってものは作者が描写に強弱をつける。作品構成上、イメージを克明に伝える必要があるシーンは丁寧に描写し、そうでもないところは大胆に省略する。この強弱が物語をより物語らしくするのだと思うが(物語性の希薄な作品だって強弱は絶対にある)、この作品には(というより、レムの作品全般に言えることかもしれぬが)強弱がほとんどない。つねにハイテンション。前菜も主菜もデザートも、みーんなくどーい味付けばかりのフルコースを食べている気分。うーん、読み進められるかなあ…。ストーリー自体はおもしろそうなんだけどなあ。やはりSFから離れてしまったアタマに、レムは無理なのか?