わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

鼻折れる

 鼻骨を骨折した。ポッキリ折れたのではない。ヒビが入った状態だ。新規開拓のための営業(など、ふだんはほとんどやらないのだが)で訪れた巣鴨の某企業でごあいさつと作品紹介を済ませた後、昼食のために入った店を出るときのことだ。作業しなければいけない仕事のことでアタマがいっぱいになった状態だからだろう、自動ドアのセンサーがたまたま反応しなかったのに気づかずそのまま歩いてドアに激突。目の前にマンガみたいに星が飛び、目からは涙がマンガみたいに飛び出してきた。激痛に耐えながら店をあとにしたが、いつまで経っても痛みが引かない。ズキズキと痛む。鼻血こそ出てはいないが、触るとわずかではあるが腫れているのがわかる。トイレに入り鏡を見たら、すっと通ったカタチだったはずの鼻が、中井貴一みたいになっているではないか。薬局ですぐに冷える保冷剤を購入し、それで鼻のアタマを押さえながら移動。もう一件の新規営業もなんとか済ませてから西荻窪の整形外科に向かった。レントゲンを撮る。横からとった写真を見ると、鼻の骨にキレツができている。正面の写真では、ぶつかった衝撃でわずかではあるが鼻のラインが曲がったこともわかる。どんな治療をするのかと聞いたら、とにかく冷やして、痛んだら鎮痛薬を飲んで、でもなるべく飲まずに、冷やして、あとは自然治癒を待つ。ギブスなどは簡単には付けられない部位なので、放っておくのがいちばんの治療法だという。帰宅後は延々と鼻を冷やしつづけた。冷やすのをやめるとズキズキと痛んでしまい仕事にならない。最低限のことだけをして、早じまいすることにした。
 夜になると、ズキズキはジンジンに変わり、まあなんとかパソコンに向かうことくらいはできるようになった。ただし、腫れはさほど引いていない。とはいえ、明日になればもう少しマシになるだろう。
 近ごろ、身体がボロボロになっている。ぜんそくで大騒ぎし、ようやく気管支炎の症状が治まってきたと思ったら、これだ。その前は股関節痛で悩まされていた。そのちょっと前は坐骨神経痛。身体のことをないがしろにすればどこかが慢性的に故障し、気遣えば今度は不注意ゆえではあるが、事故に遭う。絶好調な状態を常に保ちたいと思うのだが、そんなことは数年に一度あるかないかだろう。もっとも、そんな欲求を抱くこと自体がまちがっており、肉体を持つ限り、ニンゲンとは身体的な苦しみとつねに向かい合いながら生きるドウブツなのかもしれない、などとも考えた。苦しみとの対峙は、精神的な成長に結びつく。ならばたまには自動ドアに鼻っ柱をぶつけてもいいじゃないか。とりあえず、そんなふうに自分自身を言いくるめておこう。
 あー、やれやれ。