六時四十分起床。雨。細かな粒がゆるい風に煽られながら舞っている。これじゃ霧みたいじゃないか、とひとりごとをつぶやき、だから霧雨っていうんだよ、とそのボケに突っ込みを入れる。どうやら寝ぼけているらしい。
十一時、小石川へ。茗荷谷からの十数分の道のりが、霧雨に濡れる。雨にさらされた古い桜の幹が黒々と光るさまが、少々グロテスク。その横を、猫が一匹通りすぎる。親子連れにつかまり、三歳くらいだろうか、小さな女の子に力いっぱいナデナデされている。猫は嫌そうな表情を見せない。
二件ほど打ち合わせをこなし、十六時ごろ帰社/帰宅。帰りがけに寄ったミスドで「ポン・デ・抹茶あずき」を購入。これで腹ごしらえしてから仕事にかかる。某家電メーカーパンフレット。書けば書くほど先が見える。その、見えた先は構成を考えたときとは微妙に位置が違う。形も違う。空気も違う。だが、違っていたほうが結果的によい、ということがある。どうやら今回もそうらしい。某IT企業パンフレット。こちらはまるで見通しが利かなく、暗中模索という言葉がイヤになるくらい似合ってしまう。さっさと終わらせなければいけないのだが、はじめかたすら見えてこない。まいった。まあ、一晩寝れば打開策が浮かんでくるだろう。夢のおつげを舞っているわけではない。アイデアとは熟成させるものなのだ。
仕事の飽和状態、すこしずつ先が見えてきた。ふう。