連作短編集『軽いめまい』より。主婦・夏実のなにげない日常が、ちょっとだけユニークな視点から語られる。蛇口から流れる水に見とれてしまう瞬間がある。ただそれだけのことから、日常生活にふと現れる空虚さと非現実感、超生活感とでもいおうか、不思議な感覚を強く感じてしまう。もちろん、こんな瞬間は誰もが経験しているはずだ。ならば日常とは空虚さを内包する危ういものなのか。
- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (21件) を見る