わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

金井美恵子「蛇口の水」読了

 連作短編集『軽いめまい』より。主婦・夏実のなにげない日常が、ちょっとだけユニークな視点から語られる。蛇口から流れる水に見とれてしまう瞬間がある。ただそれだけのことから、日常生活にふと現れる空虚さと非現実感、超生活感とでもいおうか、不思議な感覚を強く感じてしまう。もちろん、こんな瞬間は誰もが経験しているはずだ。ならば日常とは空虚さを内包する危ういものなのか。

軽いめまい (講談社文庫)

軽いめまい (講談社文庫)

これって今は新品じゃ手に入りにくいのね。