わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

秋色/抜殻/吟醸

 六時五十分起床。先週いっぱいが夏休み、今日から仕事に復帰というひとが多いらしい。朝のニュース番組は、厳しい夏の暑さに戻る今日の空模様を報じる天気予報にからめて、こぞってそのようなメッセージを伝える。新聞を取りにマンションのエントランスまで出てみるが、朝の空気はひんやりと冷たく、それが緩やかな風に撹拌されて思いがけず心地よい。が、それもつかの間で、九時を過ぎると青空にはっきりとした形と陰影の入道雲が東の空に、急成長するイキモノのようにニョキニョキと沸き上がってくる。まだ夏じゃねえか。そう思いながら空を見上げるが、幾分その雲が秋色を帯びて見えるのは気のせいだろうか。
 午前中は事務処理。午後より霞が関にて打ち合わせ。外務省前の桜並木の、ほぼすべての桜の木の幹に、なぜこんなにと訝りたくなるほどたくさんの蝉の抜け殻が張り付いてる。ざっと数えたところ、いちばん多い木で三十匹近く、黒々とした桜の老木の表面の色とは対照的な薄茶色に乾燥した全長二センチほどの殻が点々と張り付いている。ということは、並木が三十本あるとして、一本平均二十匹、すれば約六十匹の蝉が外務省前の桜並木の地面から姿を現したことになる。子どものころから蝉の抜け殻はよく見かけたり、集めたり(子どものころだけだけれど)、壊したりしたものだが、これほど多くの抜け殻を一度に見るのははじめてだ。これを見たら、笑わざるをえない。警備をしている警官に怪しまれてしまったかもしれないが、おもしろいのだから仕方ない。木の根元を見ると、蝉の幼虫(なのかな)がそれまで潜んでいた地中から抜け出したときにできた穴が大量にできていた。これまたおもしろい。穴に指をつっこんでみようと思ったが、警官に止められそうなのでやめた。抜け殻を取るのも、写真を録るのも、おなじ理由からやめておいた。
 夜は仕事をしようと思っていたのだが、お隣さんからいただいた純米吟醸がうまくてつい飲みすぎてしまい、仕事にならず。だめじゃん。