わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

大江健三郎「臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ」読了

 回想から開かれる未来。しかし、その未来に向かおうとする自分たち自身はすっかり老いている。それでも足を踏みだしたい。そんな思いを、いわゆるセカンドライフだのアクティブシニアだの、そんなコトバとは違う次元で描いた小説……なんて表層的な読み方をしたらダメなのはよーくわかっている。作品全体を覆う、なにやら肉感的かつインテリジェントな「問い」があること自体は感じるのだが、それがよく見えてこない。だから読み終えても、よくわからない状況。単行本が出たらもう一度通読しよう。読み切れていない部分が見えてくるかもしれない。
 ↓これはぼくが一番好きな大江作品。

懐かしい年への手紙 (講談社文芸文庫)

懐かしい年への手紙 (講談社文芸文庫)