回想から開かれる未来。しかし、その未来に向かおうとする自分たち自身はすっかり老いている。それでも足を踏みだしたい。そんな思いを、いわゆるセカンドライフだのアクティブシニアだの、そんなコトバとは違う次元で描いた小説……なんて表層的な読み方をしたらダメなのはよーくわかっている。作品全体を覆う、なにやら肉感的かつインテリジェントな「問い」があること自体は感じるのだが、それがよく見えてこない。だから読み終えても、よくわからない状況。単行本が出たらもう一度通読しよう。読み切れていない部分が見えてくるかもしれない。
↓これはぼくが一番好きな大江作品。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/10/02
- メディア: 文庫
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