わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

畳を換える

 畳屋の朝は早いらしい。じゃあ早速明日に、と商談をまとめてからまだ十数時間しか経っていないのに施工である。しかも、朝七時過ぎに古い畳を引き上げるとのこと。おかげで今日は休日であるが平日と変わらぬ時間に起きることに。早起きはさほど苦痛ではないが、なんとなく損した気分になる。
 畳屋が到着。ものの五分でタンスが乗っていた畳をすべて引き上げてしまった。午前中で貼り替えを終え、午後には持ってこれるという。コンビニなみの早さだ。現代は、職人の世界にもスピードが求められるということか。いや、ネットなどでの営業に熱心な現代的な畳屋は、意外にも当日仕上げなどに対応できないと昨日ウチに来た営業のおっちゃんが言っていた。なるほど昔から職人とはせっかちなものだ。そのせっかちさが活かされているということか。作業中、猫たちが騒いだり不安がったりするのではないかと心配したが、全然大丈夫。念のため花子はアトリエに、麦次郎は押し入れに入っていてもらったのがよかったようだ。
 せっかく畳をあげたのだから、と下地のコンクリートがむき出しになった部分に掃除機をかける。ホコリがしっかりと詰まっている。畳はぴっちりと敷き詰めてあったはずなのにどうして、と思うが、ホコリとはミクロの単位の粉塵の集合体。どこにでも入り込めるのだろう。
 終了後、西荻のベーカリー「ムッシュ・ソレイユ」まで散歩。昼食用のパンを買って帰る。夏に逆戻りしたような蒸し暑さには辟易するが、戻りきれていない空の表情がおもしろい。南の空には小振りではあったが入道雲がもくもくと立ち昇っている。ところが天頂から東にかけての空には、ゆるやかに流れるいわし雲。蝉の鳴き声はほとんど聞こえない。散りはじめた百日紅の鮮やかさと、ふたつの季節を抱え込んだ空のコントラストがなんだかおかしくて、すこしだけニヤリとしてしまう。
 午後、畳屋が納品に来る。真新しい井草の匂いが心地よい。背筋がシャンと伸びるような気がする。
 午後からは読書などしてのんびり過ごした。
 夕食は北京ダックもどき。詳細別項。