この美術館、日本の美をテーマにしているようだ。今回は「屏風」をテーマにしている。金色の雲の切れ間から見える寺院や宮廷と当時の人々を俯瞰的に描くあの作品世界、個人的にはあまり好きではなかったのだが、よく見ると時代背景や当時の風俗が色濃く、仔細に描かれており、自身の(乏しい)日本史の知識と照らし合わせてみれば、これまた「オランダ風俗画展」と同様だが資料的価値としては見ごたえがあった。
狩野派の作品もいくつかあったが、期待していた若冲のような感覚の作品は皆無。ちょっと残念。意表をついておもしろかったのは、キリスト教伝来直後に国内で描かれた南蛮画(っていうのかな)? インチキ西洋世界のはずなのだが、ぼくのような中世西洋画の知識がとぼしいものにはまったくインチキに見えない。