わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

奇特な味覚

 八時二十分起床。軽い二日酔い。頭痛がする。昨夜は日本酒ばかり三合ほど飲んだが、これしきの量で次の日に残るとは。ヘッポコ肝臓に呆れてしまう。
 便所の大掃除。もっとも、今年は夏のあいだ三日に一度の超徹底的便所掃除を自身に課していたので、作業は楽だ。
 午後は年賀状づくり。宛名を手書きし、メッセージも一人ひとり書き込むことに決めているので、数日がかりの作業になってしまう。
 夕方、環八沿いのスーパー「OKマート」へ。牛肉、豚肉、水菜など買い込む。ついでにすぐそばにある義父母宅へ。ちょっとだけお茶して帰ってきた。
 善福寺川沿いのお寺のそばに、桜の老木が、遊歩道の外側から川になだれ込むように伸びている場所がある。春は巨大な花のアーチとなり、散る花びらがドブ川の汚さを覆い隠すさまが印象的だ。春の間はまったく気になどせぬのだが、この横に、種類のわからぬ木が立っている。これが、冬になると真っ赤な小粒の実をたくさん実らせる。モチノキの実のように赤いのだが、大きさはパチンコ玉程度、これがちょうど円錐を逆さまにした(つまり、とんがりを下に向けた)形でぶら下がっている。毎年カミサンと、これは何だと首をかしげあい、植物に詳しいひとに合うたびに訊いてみるのだが、いまだに正解がわからない。今日も実はたわわで、熟しきって重力に負けた赤い実が、遊歩道のアスファルトに点々と落ちていた。拾い上げ、掌の上に載せてみる。赤い。トマトを小指の先よりも小さく縮めた赤さ、とでもいおうか。食べたらどんな味がするのか、とふと思った。食ってみようか。いや、やめておこう。おかしな中毒になる可能性がある。だが、この実はヒヨドリなどが食べているのではないか。なら、ニンゲンはともかくトリなら食べても大丈夫なのだろう。そう考え、握っていた一粒を、川に向かって投げてみた。着水した途端、そばを泳いでいたカルガモが粒のほうに向かい、パクリと食べた。食べれるじゃんか。ならば、と思い十数粒をさらに拾い上げ、カモの目の前にどんどん投げ込んでみた。入れ食い状態を期待していたのだが、見事に裏切られた。最初に目をつけたオナガガモは、口にいれようとしたがすぐにやめてしまった。次のカルガモは食べようともしない。マガモなど、見向きもしないではないか。どうやらこの実、カモにはひどく不評らしい。最初に口にしてくれた一羽が、奇特な味覚の持ち主なのだろう。しかし、そんなことがわかったところで、この木の種類はあいかわらず謎のままだ。気になる。
 夜は豚の角煮をつくった。最高の仕上がり! 詳細別項。煮込んでいるあいだに、明日のためのローストビーフの仕込みもしておいた。