連作短編集。幻想文学の新しいカタチ、と高い評価を受けているみたいなので読むことにした。昨日まで読んでいた後藤明生の『首塚』はしばらくおやすみ。
一作目の「胡蝶骨」は、泉鏡花が現代に生きていたら本当にこんな作品を書くのではないか、と思わせるような仕上がり。二作目「彗星考」は、幻想的要素として登場する彗星よりも、旅先で出会った謎の親子と主人公との関係の方がよほど不思議でおもしろい。味付け程度に書かれている心理描写が秀逸で、幻想小説としてよりも純粋な短編小説(という表現はすっごく変だが)として読むべきだなこりゃ、と思った。
[rakuten:book:11493509:detail]