わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

松浦寿輝『もののたはむれ』

「黄のはなの」「並木」。いずれも、どこに幻想性が? と訝りたくなるほどスタンダード。完成度は高いと思う。
「黄のはなの」では村木道彦という歌人の作品が引用されている。ひらがなの叙情性ってこんなんだっけ? と思わせる感覚が、短歌に疎いぼくにはとても新鮮。短歌のところだけ引用。

黄のはなのさきていたるを せいねんのゆからあがりしあとの夕闇
水風呂のみずみちたればとっぷりとくれてうたえるただ麦畑
秋いたるおもいさみしくみずにあらうくちびるの熱 口中の熱

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