幹子と寛樹が復縁するところで物語は終わる。新しい家族のかたち。離散する家族を再度結びつけるには、幹子親子に対する寛樹のような、外部の存在が必要なのかもしれない。
植物診断、スギノコ、寛樹のマンションのベランダのジャングル。どうして植物なのか、が今ひとつ読み切れていない。植物のような家族関係? 本作における幹子と寛樹の関係は、植物的とは言い難いが。
うーん、おもしろかったのだが、すっきりしない読後感。それがストーリーによるものではなく、設定というかモチーフというか技巧というか、そういった部分への理解不足に由来しているというのがまた、すっきりしなくて……。そういう読み方をすべきじゃないのかな。
- 作者: 星野智幸
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/01
- メディア: 単行本
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