わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「朝の虹」読了

「新潮」八月号より。老いによる感覚の狂いに、生き方の、あるいは存在自体の狂いが重なる。狂気とは騒々しさを含むものだが、本作での狂気は常に浮ついていながらも寡黙である。狂気が、静寂に向かって耳を澄ませている。そこに徒労感はない。あるとすれば、ともすると永遠につながりかねぬ時間感覚の狂い。狂いに狂いが重なり、また狂う。
 歳を取るとは、自身の内なる狂気を認め、うまいぐあいに折り合いをつけていくことなのだろうか。ならばその狂気を、狂気と呼ぶべきではないだろう。

仮往生伝試文(新装版)

仮往生伝試文(新装版)

白暗淵 しろわだ

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忿翁

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