わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『始まりの言葉』

 第三章「言葉の薄氷を踏んで」では、そのタイトルどおり、時代という概念から少々離れて言葉について考察している。言葉と、言葉を使う主体の意識がずれることで、発話と意味がずれる、というか。そこに古井さんはある種の狂気を読み取る。
 そして、言葉について考えることが、いつしか時代について考えることと重なりあう。その背後にあるのは、言葉を操る主体であるニンゲンの、その時代時代における精神性。これまた狂気。

始まりの言葉 (双書時代のカルテ)

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槿 (講談社文芸文庫)

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仮往生伝試文(新装版)

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