わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

飯田章「赤い蒲団」

「群像」10月号掲載。自分のろくでなしっぷり(そうでもないように読めるのだが)に、以前飼っていた馬鹿犬の面影を重ね合わせ、死んでしまった隣家の犬に、その馬鹿犬の面影を重ね合わせる。その経緯に、近い家族の老いや死がさらに挟まってゆく。
 不思議なのだが、読めば読むほど、死という事象に対するわりきり、開き直り、そんなものが感じられてしまう。それは主人公がアンバランスな自虐性、自己批判性を持っているからだろうか。自虐的なニンゲンは、自分の死に対しては驚くほどドライになれる。

迪子とその夫

迪子とその夫