自己正当化と依存に塗り固められた旅は目的自体が曖昧になり、したがってそこに終わりなど存在するはずもなく、だから多くの人たちは、本編の主人公である鋤名彦名のように、おなじ過ちやら違う過ちやらを繰り返しながら、人生を、彷徨うように生きつづける。迷うことすらしない。迷いとは、主体性の別名だから。
町田作品としては珍しくメッセージが明確。こんな作品を書いてしまって、このあと町田康はいったいどこへ行ってしまうのだろうか。そんな、余計なお世話的な不安を感じてしまう傑作。
とゆーわけで、なんとか読み終わりましたから、明日から『絶望』読みますよねーさん。
- 作者: 町田康
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