封切りのときは、劇場に行こうと思っていたのだが、スケジュールをうまく調整できず涙をのんだ記憶があるのだが、うーん、行かなくてよかったわ、これ。「DOLLS」ではストーリーはともかく映像の美しさと山本耀司の意匠デザインに感動し、おなじことをこの映画にも期待していたのだが。
現実が、いつしか夢と混じり、妄想と混じる。それが、妙な一点でつながりあう。刹那、境界線が見えなくなる。戸惑うというよりも、受け入れられない。そんな感覚を北野流に映画化したのだろうが、観ているこっちが受け入れられなくなっちゃうんだよなあ。幻想的な描写って、泉鏡花とか漱石の「夢十夜」みたいに活字化すると、読み手の想像力とうまく化学反応を起こしてとんでもなくおもしろくなるのだけれど(現代詩もおなじだね、きっと)、映画みたいに観る側の想像力をさほど当てにしない表現形式の場合、案外そうでもないんだよなあ。萎えるんだよなあ、嘘くさすぎて。想像力の中で再現される幻想は明らかにウソ、というか虚構なのにそうは思えず、映画の中で再現される幻想は現実を幻想として見せようとする作業が見えてしまってしらけてしまう。あるいは、絵そのものに幻滅する。
皮肉にも、やっぱり活字ってすげえなあ、と痛感したのであった。
が、それよりも何よりも、京野ことみの乳出しにすっごく驚いた。
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