「戸の池一丁目」。バス停と雑貨屋を中心に描かれる、地域の共同体の全体像とそこに根付く人々の生活、そして感情。
「プリン」。他の作品は地域というエリアローカルな共同体、あるいは家族というミニマムな共同体が描かれていたが、本作では「血族」「親族」が描かれている。血のつながりを描こうとすると、どうしても重くなる。軽快だが湿度の高い本作の文体も、ここでは急に、中上のように重く感じてしまう。いや、血族=中上、という短絡的な発想がそう読ませているだけなのかもしれぬが、重く感じられることだけは確か。
やっぱり本作、「雪沼とその周辺」とおなじ世界観でした。
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