なんか気にいらねえな。心底そう思い、知らず知らずに呟いていることがある。大抵は、思惑通り仕事が進まなかったときだ。広告代理店や印刷会社などの直接のお客さまとの打ち合わせの場でこの台詞が心に浮かぶことは少ない。クライアント企業に出向いて直接話を聞いたときのほうが多い。原因はさまざまだ。クライアントのマーケティングの考え方が間違っているように思えたとき。しっかりした内容の資料やしかるべき指示がいただけなかったとき。担当者が心ここにあらずなとき。こちらの説明をまったく聞かなかったとき。などなど。大抵、これらが複合的に襲いかかり、なんか気にいらねえな、などと考え、その理由がしばしわからなかったりする。少し間があけば、気に入らないと思うなど言語道断、不遜の極みだということにすぐ気がつく。これらの問題点も含めて総合的に解決できる手法を提案し具体化するのが、広告文士兼企画士である自分の役目ではないか。そんな考えに至るわけだが、毎回おなじことを考え、おなじ終着点に行き着いているのだから困ったもんだ。
六時三十分起床。今日も夜中に花子のゴハンだの水飲みだのトイレだのに付き合わったので、今ひとつ熟睡できていない。エリザベスカラー装着時は仕方ない。わりきるしかない。
午前中は銀行回りと事務処理。午後は外出。浅草にある某クライアントで打ち合わせ。で、気にいらねえな、と。そして、なんて不遜な態度なんだ、と。打ち合わせ中の窓の外に、群れで空を飛ぶユリカモメの姿が見えた。ユリカモメのユリは、百合のユリなのだろうか、とチラリ考えたが、すぐに仕事に集中した。
帰宅後、調べてみる。やはりユリは百合だった。http://ja.wikipedia.org/wiki/ユリカモメ
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