わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

夏目漱石「変な音」

 Podcastで、散歩しながら。
 エッセイ、なのだろうか。入院中、どうやら漱石本人らしき人物が頻繁に耳にした、おろし金で何かをするような音。それがなんだったのか、を軸に入院中の心境が語られる短篇なのだが、病死という現実に音を聞く(聞くというよりは、自然と聞こえるという感じか。聞こえてしまったので、聞き入ってしまい、気になってしまう)という肉感的な行為が対置され、そこから、はかなさとたくましたが同居した「生」というものが浮き彫りになってくる。

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

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