希薄なようでいて、でも確かに存在している父。希薄に思えるのは、そのようなフィルターを自分自身がもってしまったから。たとえ肉親でも、相手の内面に踏み込むような人間関係を持つことを、知らず知らずのうちに拒否してしまうから。そういうことなのかな。ありがちなテーマ。そして、とてもスタンダードな小説。飛び道具的なストーリー展開や表現はほとんどない。もちろん、だからといって駄作というわけではない。むしろ、こういう地味な小説ってかなりの力量が必要だと思う。
- 作者: 青山七恵
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 79回
- この商品を含むブログ (171件) を見る