「キャットナップ」読了。ニンゲンと猫、社会構造に組み込まれていながら志向すればいくらでもアウトローにはなれる存在であるニンゲン(と書いているうちに、そりゃ違うな、と思いはじめているのだけれど)と、アウトローに生きていながらも実はニンゲンという存在に依存しなければ生きていけない猫という存在の対比を、どちらがいいとかそういうレベルの問題ではなく、ただ単に対比するためだけに(それが重要なのだが。作者は答えを出す必要はない。答えは読むことを通じて思索の迷路に迷いこみはじめているはずの読者が出すべきなのだ)この小説を描いているように思えた。
わずか十数年前に書かれた作品だというのに、すでに現代性を失いかけているので驚いた。作品内容より、このことに気を取られてしまった。それじゃだめじゃん(春風亭昇太風に)。
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