わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

色川武大『生家へ』

 連作短篇集。「作品1」。人一人いない生家の部屋の中の幻を繰り返し見る男。イマジネーションと幻想が、冷静な自己分析とともに淡々と展開される……らしい。「らしい」と書いたのは、まだ導入部数ページしか読んでいないので。
 石川淳の「かよい小町」をかなり読みすすめたのだが、なんだか気乗りがしなくなってきたので読むのをやめた。最初に掲載されていた短篇はめちゃくちゃおもしろかったし、発禁処分を受けた問題作の「マルスの歌」もよかったが、一番読みたかった「焼跡のイエス」のおもしろさがよくわからなかったせいか、ちょっと関心が逸れはじめていた。「かよい小町」は他愛もないことを無理やり観念的に展開しているように読めてしまい、ちょっとしらけちゃった。

生家へ (講談社文芸文庫)

生家へ (講談社文芸文庫)

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