連作短篇集。「作品1」。人一人いない生家の部屋の中の幻を繰り返し見る男。イマジネーションと幻想が、冷静な自己分析とともに淡々と展開される……らしい。「らしい」と書いたのは、まだ導入部数ページしか読んでいないので。
石川淳の「かよい小町」をかなり読みすすめたのだが、なんだか気乗りがしなくなってきたので読むのをやめた。最初に掲載されていた短篇はめちゃくちゃおもしろかったし、発禁処分を受けた問題作の「マルスの歌」もよかったが、一番読みたかった「焼跡のイエス」のおもしろさがよくわからなかったせいか、ちょっと関心が逸れはじめていた。「かよい小町」は他愛もないことを無理やり観念的に展開しているように読めてしまい、ちょっとしらけちゃった。
- 作者: 色川武大,平岡篤頼
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/05/10
- メディア: 文庫
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