わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

変愛小説集II ダン・ローズ/岸本佐知子訳「人類学・その他一〇〇の物語」より

「群像」八月号掲載。ひと言で言えば、変愛ショートショート。理不尽な仕打ち、あるいは状況で彼女に振り回される男たちの、あるいは女たちの外見的・表面的・セックス的な部分しか評価していない男たちの、限りなく喜劇に近い悲劇。馬鹿馬鹿しすぎて呆れてしまうような話もあるのだが、理不尽さがふとした瞬間に男女間の心理におけるとてつもなく大切な何かに一瞬だけ触れ、そのまま逃げ去っていく変愛タッチ&ゴーとでも呼べそうな奇妙な感覚があり、読んでいてヒジョーに楽しい。
 実は本号に掲載されている川上未映子の「ヘブン」を読もうと思ったのだが、2ページくらい読んで、なんか波長が合わないというか、好み(かなり広いと思うのだが)と違うような感覚があったのでやめてしまった。機会があったらまたチャレンジするつもり。

群像 2009年 08月号 [雑誌]

群像 2009年 08月号 [雑誌]

変愛小説集

変愛小説集

岸本佐知子の翻訳作品・エッセイなどはこちら。かなりの数があります。