アフリカの作家の名作。集中的に海外の作品を読んでみようかな、と思った次第。
村一番の金持ちの息子である主人公の「わたし」は十歳のころから「やし酒」を飲みつづけている。ある日父が死に、しばらくすると父が雇ってくれた腕利きのやし酒造り(杜氏さんだね)も死んでしまった。主人公は、死んだ者はすぐにあの世に行かずにしばらくこの世に留まっているという話を聞き、ふたたびやし酒をつくってもらうために死んだやし酒造りを探し出すために旅に出る。
とにかくストーリーの展開が早い。そして、起こることがすべて呪術的というかマジックリアリズム的というか。マルケスの傑作『百年の孤独』もかくや、というくらい意外性に富んでいる。文学=不幸の告白あるいは不幸からの脱却と恢復そして成長、という日本文学のひな形から大きくはずれた内容に打ちのめされっぱなし。小説とは自由な表現形式なのだ、ということを改めて思い知らされている。
- 作者: エイモスチュツオーラ,土屋哲
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1998/05/30
- メディア: 単行本
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アフリカの日々/やし酒飲み (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-8)
- 作者: イサク・ディネセン,エイモス・チュツオーラ,横山貞子,土屋哲
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/06/11
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百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,鼓直
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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- 作者: G.ガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arques,鼓直
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/08
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