第四章「冗談はつらぬかれた」。古義人が父をモデルにした小説を書くという行為が、母や妹を傷つける…。
小説はあらゆる事実/現実世界から自由な存在であるはずなのに、現実世界から思わぬ反発や否定・批判を受けることがある。作品価値の否定ではなく、「書いてあることは事実と違う」ということに端を発する否定。これは小説の本質を踏み外した行為であり、こんなことは書き手も読み手も考える必要のないことであるはずなのだが…。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/12/15
- メディア: ハードカバー
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