「群像」4月号掲載。主人公は、法的に認められなくなってしまったために介添婦をやめることになる秋田さんという中年女性が、最後に面倒を見ている不治の病の男性が他界したときに霊安室に入ることを許可して欲しいと、友人でもある看護婦に頼み込む。死の緊迫感がほとんど感じられない、カジュアルな文体。願いは深刻さを帯びず、むしろ死ぬまでに一度でいいから叶えて欲しい、というレベルの「わがまま」に近いように読めてしまう。それが作者の狙いなのだろうけれど。
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