鶴島の話を通じて、春田は旅人が東京で文筆業を廃業し西海地方(たぶん四国か九州がモデル)の鏡山市に移転してからも、名を変えてエッセイや小説、翻訳作品などを発表していたことを知る。これにより、旅人が嫌っていたのは文学そのものではなく文芸ジャーナリズムであったことがわかり、春田は鶴島とともに旅人の厭世自殺説は間違いであることを確信するのだが……。
とにかくクソ真面目な文体なのだが、ときおりその真面目さを保ったまま、冗談のようなことも書いているんだからなあ……。
- 作者: 大西巨人
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2000/02
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (23件) を見る
大西巨人の作品はこちら。そういえば、『五里霧』も買ってあるけど読んでないや……。