わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

拝啓、オーラ様/百日紅の記憶

 五時四十分起床。この数日で「アツイ」が口癖、ただし季節限定の口癖、になりつつあるのだが、つい口から漏れるこういった言葉を「ネガティブだ」と批判する人がときどきいらっしゃる。先日もTwitterのつぶやきの中にそんなものがあった。暑い日に「アツイ」と言う人からはマイナスのオーラが出ているので近づきたくない、とまで書かれていて、こいつは極端だな、と笑ってしまった。「アツイ」はわずか三文字ではあるが、「アツイ。もう何もかもイヤだ。涼しいところにいってダラけていたい」という逃避願望の表れであったり、「アツイ。でもそれはさておき、今日はアレとコレをする日だったな」という思考の枕詞、あるいはツナギのようなものであったり、「アツイ。でもこのくらいの暑さなら乗り切れるよな」「アツイ。けど大丈夫、がんばろう」という意思確認、あるいは決意表明の場合もあるだろう。「アツイってすばらしい、アツイの大好き」という奇特な方もいるかもしれない。批判された方はきっとオーラを視認できる能力をお持ちなのだろうが、オーラを見て取ると同時に、アツイという言葉の裏側に隠れているさまざまな感情や思考もぜひとも読み取っていただきたい、と強く思った。いささか批判めいたことを書いてしまったが、オーラの御仁にぜひとも一言申し上げたかった次第。Twitterで直接、という手もあるのだが、角が立つのでこちらに書いた。アンタもマイナスオーラ出しまくりですね、と言われそうだし。それに、Twitterでは文字数が足りなくなる。
 七時三十分、仕事開始。某大学広報誌、某薬品メーカー企画、某カード会社パンフレットなど。
 昼食は土用丑の日なので鰻丼。食後、猛烈な睡魔に襲われてしまった。紅茶を飲んでカフェインを摂取し、眠気を吹き飛ばした。ちなみに紅茶はホットである。アツイ、アツイ。
 十八時過ぎ、食材を買いにクイーンズ伊勢丹へ。厚い雲が空全体を覆い、緩やかに吹く風は真夏の日中に窓を締めきった部屋のように重く、そして湿っていた。その湿り気が、重く両肩にのしかかっているような感覚にとらわれ、それをぬぐい去りたい、いや、ここから早く抜け出したいという気持ちが高まるのだろうか、足取りは無意識のうちに慌ただしくなった。時折、夕日が差さないためだろうか、色彩を失いかけたように見える街角の中に、鮮烈なピンクが発光しているのが目に飛び込んでくる。百日紅の花だ。この花を見ると、小学生のころ同級生の女子が夏祭りのときに来ていた浴衣の帯の色を思い出す。もっとも、色彩の記憶以上のことは思い出せない。その女子が誰だったのか、顔も名前も思い出せない。
 夕食は餃子。