「生垣の女たち」。老人に万が一のことが本当に起こってしまう。男と女は老人の遺言書に記されていた女性に連絡を取る。女は正体不明だが、男の親族たちにテキパキと連絡をはじめ……。この一連の流れ、古井さんにしては妙に物語的で、読んでいて妙にハラハラしてしまう。死後の一切を任されることの危うさが、常に死と隣り合わせで生きることの危うさと、どこかでつながり、境目を失っている……という読み方はできないだろうか。
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/03
- メディア: 単行本
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