わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『やすらい花』

「牛の眼」。テーマは「母親」。主人公が大昔に読んだ、古典に登場する罪を償うために牛となって転生した母親の業を偶然にも落とすことになった息子。女を見つめていたらその女を連れていたヤクザにフルボッコにされたものの主人公に助けられ、翌日は坊主と二人きりで母の法事を行うから、と鼻血を垂らしながらひとりで帰った若い男。三度も結婚したが、するたびに年齢こそ違うものの毎回おなじようなタイプの妻をめとってしまうマザコンの気があるらしい主人公の友人の六十代の男。