わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

三浦雅士「孤独の発明」(11)

 今日は3節目だけ読んだ。レヴィナスフッサールハイデガー木田元と渡り歩きながら、中也や谷川俊太郎、『同時代ゲーム』の大江などが作中で表現した、ここではないどこかからやって来て世界を認識している「わたし(孤独な主体)」の居場所、語っている場所はどこかを解き明かす試み……って書くと、なーんか無駄なことしてるなあ、って思えるかもしれないが、まったくそんなことはない。これは、主体と客体の関係、わたしと世界の関係、認識と存在のしくみ、といったものの本質を知るためには重要な試みなのだ、きっと。
 三浦は、認識の主体は、世界の内側にいながらも世界の外側の視点を同時に持ち、そこから内部に向かって言葉を発している、と考える。ただし、この場合の主体は多重的に存在しているわけではない。またがるように存在しているわけでもない。だが、このようなあり方こそ人間本来のあり方、人間の本質そのものなのではないか、というのが三浦の主張、だと思う。
 うーん、レヴィナス木田元も読みたくなっちゃったなあ。フッサールハイデガーは……学生のときに読だけど、その膨大な情報量と難解な思想に見事玉砕したのであった……。

群像 2010年 11月号 [雑誌]

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時間と他者 (叢書・ウニベルシタス)

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現象学 (岩波新書 青版 C-11)

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ハイデガーの思想 (岩波新書)

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存在と時間〈上〉 (ちくま学芸文庫)

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存在と時間〈下〉 (ちくま学芸文庫)

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ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫)

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