主人公は、最後には叔父の正体を解明するのだが…。学問への愛情というか知的好奇心というか探求心というか、そんなものが、親類に対する愛情や親しみと重なりあう。それを媒介しているのが「言葉」ということになるのだろう。自分でも理解しきれぬような心の動きを、そのまま正確に言い当てることはできなくても、増幅させたり、触媒として機能したり、といった役割は十分にできる。科学を通じて、言葉の、認識や(意志や価値の)交通の道具以外の側面を描いた作品、ということになるのだろうか…よくわからんが。
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/12/07
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