わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

円城塔「これはペンです」読了

 主人公は、最後には叔父の正体を解明するのだが…。学問への愛情というか知的好奇心というか探求心というか、そんなものが、親類に対する愛情や親しみと重なりあう。それを媒介しているのが「言葉」ということになるのだろう。自分でも理解しきれぬような心の動きを、そのまま正確に言い当てることはできなくても、増幅させたり、触媒として機能したり、といった役割は十分にできる。科学を通じて、言葉の、認識や(意志や価値の)交通の道具以外の側面を描いた作品、ということになるのだろうか…よくわからんが。

新潮 2011年 01月号 [雑誌]

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